放送大学で勉強中

放送大学で頑張って勉強する日記です。

【コラム】深く考えさせられた小学生男子の事情

先日、2歳の息子を連れて、近所の公園に行った。

まだ2歳なので、話し始めたばかりで、

挨拶もまだ十分にできない、知らない人と会話も難しい歳だ。

 

当初いつもの通り、一人で遊んでいたのだが、

しばらくすると、小学生男子4人組がやってきた。

息子の乗っているブランコの横のブランコに乗り始めて、

立ちこぎなどをやっている。

 

その中のもっとも小さい子(小学1年生)が、

息子に興味を持ち、息子もその子のまねをし始めた。

 

多分その子はうれしくなったのだろう、

ブランコに乗る息子の背中を押し始めた。

息子は、怖がるかと思ったが、意外とがんばっていたので、

見守るだけにして、あまり強く押したときは、

ちょっとだけ注意して、しばらく見守った。

 

小学生たちは、息子の持っていたサッカーボールに興味を持ち

私に、「使っていい?」と聞いた。

私は、「いいよ」といって彼らに使うのを許可したが、

今度は2歳の息子が「○○ちゃんの~」といい始めて、

所有権を主張しはじめた。

息子にとっては、自分のボールなのに、

勝手にお母さんが使用許可を出してしまって、

かなり不満だったらしい。

 

小学生たちも本来息子のボールというのはわかっており、

息子に気を使いながら、

でもサッカーボールを思いっきりけってみたかったらしく、

遊んでいた。

 

その中で、最初に息子に興味を持った、

4人組で一番小さい小学1年生の子が、

息子にげんこつでこつんと頭をたたいたのだ。

もちろん、強いくたたいたわけではない。

息子が、その子に何かひどいことをので、

仕返しに、その子がげんこつしたわけではない。

何の脈絡もなく突然げんこつをしたのだ。

 

要は男の子同士のおふざけの範囲なのだが、

わたしは、「たたかないでよ~」といって息子をかばった。

その子は、「いたくないよ」といった。

 

そう、痛いほどではない。げんこつが頭に接触したという程度なのだ。

その子は、私に注意されたのでバツが悪くなったのか、

わたしの背中に抱き着いて、悪意のなかったことを甘えた風にしめした。

 

その後、私は「そろそろかえるね」といって、4人の子たちと別れた。

 

息子は、初対面の年上4人組と接して、

途中、サッカーボールを取られたと感じたところもあって、

少しストレスがあったようだが、

夕方には、いつもどおりに機嫌が直った。

 

さて、この経験は私にとって、

なかなか貴重なものだったと感じた。

 

個人的には私には男兄弟がおらず、

あまり男の子の人間関係はよくしらなかったのだが、

今回この4人の男の子と接して、

男の子同士の微妙な力関係が存在するということを知った。

 

この子たちは、基本良い子たちなのだが、

男の子同士の力関係というものがあり、

たぶんこの4人組の中では、最も小さい小学1年生は、

どうしても一番下の地位だったのだろう。

 

そこに、自分よりはるかに体格の小さい子と

偶然に出会って、その子が自分のまねをするので、

自分の子分ができたような気がしてうれしかったのだろう。

 

その子なりに、息子が自分に興味を持ってくれたことがうれしく、

ブランコで一緒に遊んでくれたりしたのだが、

同時に、今まで自分が恐らくほかの子たちにされたように、

からかい半分でげんこつをすることで、

自分のほうが格上なんだぞと示す行動をしたくなってしまったのだ。

 

しかし、私という大人がいて注意されたので、

自分としてはけっしていじめるような意図ではなかったと

甘えたような態度で、自分の行動を弁解することになったのだ。

 

この小学生の男の子の気持ちはとてもわかる。

しかし、同時にいたくないとしても、突然げんこつされた、

息子の気持ちもわかる。

痛くなければいいというものではなく、

いっぽう的に上下関係をしめされるのは不愉快になるのだ。

 

この男の子同士の上下関係の形成は、

本来は正しくないことだが、おそらく小学生時代にある程度済ませておいて、

いくら痛くないにしても、相手に一方的な上下関係を示すことは、

よくないことなんだろうなということを、試行錯誤の上に、

理解しておくことが必要なのだろう。

 

そのうえで、中学・高校の段階に進めばいいが、

相変わらず中学・高校の段階でも、上下関係の形成にこだわっていると、

このころは体力もあり、また勉強のストレスも大きいため、

致命的ないじめや、けんかによる大けがなどを、

引き起こすリスクがあるのだろうと想像する。

 

2歳の息子にはちょっとストレスが大きかったかもしれないが、

まあ、それほど致命的なショックがあったわけでもないし、

私もそれなりにフォローできてよかったと思う。

 

しかし、今後も注意してみておかないと、

いけない点なのだろうなと思い勉強になった。

 

男の子同士の人間関係の形成は、

いずれは避けられないことだろうから、

仕方ないが、大人も十分注意しておきながら、

こども同志の試行錯誤の人間関係形成を見守る必要があると感じた。