精神分析とユング心理学 第6回 症状をめぐる精神分析的”力動”の理解
今回は面白い回で、森さち子先生が、
テキストを書いてあることとほぼ同じことを話しているという
珍しい回だった。
ほぼ同じことを話している中で、あえてテキストには書いていないが、
森さち子先生が、重要な点として説明した内容に、
もしクライアントが心の問題としてはなし始めている場合はよいが、
身体症状を訴える場合、例えば頭が痛いなどを言う場合は、
心の専門家はそれも心の問題と考えやすい。
しかし、身体症状を訴えた場合、必ず医師の診察をすすめないと、
脳の腫瘍や血管などの問題が発生している可能性がある。
診察後、身体に異常がないと判明した後に、
改めて心の問題として考えないと、身体の治療が手遅れになる
危険性があるということを強調している。
そのためセラピストはほかの専門家とのつながりも大事にして
状況に応じてほかの専門家に紹介できなければならない。
ということを話している。
この点は、河合隼雄先生も
「カウンセリングの実際問題」の本で、
精神分裂病は必ず精神科医に紹介しなければならない。
精神科医は精神分裂病の取り扱いには特別な訓練を受けているので、
専門家に任せるべきで、それをせずカウンセラーが、
話をそのままふんふんと聞いていてはいけない。
カウンセラーは診断名はつけられなくても、
精神科医による診察を薦めたほうが良いかの判断はできないといけないと
書いてあったがそれと恐らく同じような話なんだろうなと思った。
今回はわりと教科書的なまじめな授業だった。