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放送大学で勉強中

放送大学で頑張って勉強する日記です。

人が何らかの能力を獲得する過程―幼児の行動観察から

コラム

心理学を勉強すると絶対出てくる内容として

エリクソンの発達課題とか、キューブラー・ロスの死の受容のプロセスなどがある。

このように何かの過程を階段のように順序立てて

説明するということが心理学の世界ではよく行われている。

 

もちろんこれは、一つのモデルであって、

現実にはかならずこのようなステップを踏むと決まっているわけではないのだが、

理解するためのわかりやすいフォーマットとして、

たいてい教科書に載っているのだ。

 

さて、この点を踏まえて、

私の個人的体験と考えを述べたい。

 

現在幼児子育て中の私だが、現在子供は、3歳ぐらいになっている。

0歳児は、自分では食べられないので、

親がスプーンで口元までもっていき食べさせないと食べられない。

1歳ごろから徐々に下手なりにスプーンやフォークで食べるようになっていき、

2歳に到達するごろには、そこそこスプーンやフォークも使えるようになる。

2歳後半ごろからそろそろお箸の訓練をし始めるが、

まだ私の子供は、箸はうまく使えないという段階だ。

 

ここ数か月前ぐらいから、親に対して「食べさせて」ということが多くなり、

あまり食べさせてもらえないと、食べなかったり、

フォークやスプーンを投げてしまったりすることがある。

また、気に入った食べ物については、自分で手づかみ食べをしたりする。

 

2歳になり始めのころは、かなり頑張ってフォークやスプーンを使っていたのに

最近は、使えるのに使わないという状況になっているのだ。

 

保育園の先生に、「保育園では給食はどのようにたべていますか?」と質問すると

スプーンやフォークを使って問題なく食べているとのこと

食事中には特に問題行動はないとのことだったので、

このような行動は自宅だけだったのかと理解した。

 

さて、ここで思ったのは、

子供の能力獲得も、おそらく段階のようなものを経ていくのではないだろうか?

つまり、能力がない→能力を獲得するというような

単純なものではなく、階段のようなステップを踏むのではないだろうか?

 

私の仮説は以下のとおりである

 

能力がない

技術的に能力を獲得する

技術はあるがその能力を使いたくない

その能力を意識せずに使える

 

つまり、これを息子の例に当てはめると

 

スプーンやフォークを使えない

スプーンやフォークを使える

スプーンやフォークを使えるが、食べさせてほしい

意識せずにスプーンやフォークを使える

 

という形式なのではないだろうか?

当初は能力がなく、能力を身に着けたいという気持ちがあるが、

実際にはその能力を身に着けてみても、それほど良かったわけではないことが

判明するのではないだろうか?

つまり、能力的には自分で食べられるようになったが、

その能力がなく食べさせてもらっていたほうが、

良かったことに、気づくのだと思う。

これが、自分で食べられるのに食べさせてほしいという心理だろう。

 

保育園では、子供が大勢いるので、

現実的に先生に食べさせてもらうということが不可能なので、

自分の能力で食べているのだと思う。

しかし、自宅では、自分の能力を使わないほうがトクなので、

つかわないのだろう。

 

さて、これから先の行き着く先はなんだろうか?

それなら、永遠に親に食べさせてもらうほうがトクだから、

能力があっても食べさせてもらうことを継続させるのか?

それとも、自分で食べたほうがトクだと感じるようになるのか?

これは、今後の観察対象になるなあと思う。

 

これは幼児の例ではあるが、

大人でもこういうことはあると思う。

能力を身に着けて、やろうと思ったらやれることと、

無意識に負担なくこなせることは全く違うのだろうと思う。

 

つまり、私の子供にとっては、スプーンとフォークは頑張れば使えるが、

使うにはエネルギーがいるので、食べさせてもらったほうがトクなのだ。

この「できるけど膨大なエネルギーを使う」という段階から、

「最小のエネルギーで作業をこなせるようになる」までは、

思った以上にストレスを乗り越える継続力がいるということであろう。

 

ところが、多くの人はこの理解がなく、

「できるならやればいいじゃない」とか

「できるのにやらないなんてさぼっている」という。

 

いや、ひとは「できるけどものすごくエネルギーを使うので、

やりたくない」という段階があるのだよということを、

伝えたいなと思う。

 

そして、真に能力を身に着けるというのは、

「見かけ上技術を使えているように見える」ということではなく、

「最小のエネルギーでストレスなく技術を使える」ということに

あるのだと思う。

 

さて、子供が全くストレスを感じることなく

スプーンやフォークを使えるようになるまで、

親はもう少し我慢が必要だ。