【読書感想】自己肯定感って、なんやろう? 高垣忠一郎著
大人に向けて書かれた絵本。
本の半分が、個性の強い版画となっている。
最近、「自己肯定感」という単語が割と頻繁に
web上で見かけるようになってきているが、
この「自己肯定感」というキーワードを、
説明するのではなく、語り掛けるように表現した一冊。
自分を肯定できるところを、
いっぱいもってはる人はええですよ。
たとえていえば「金持ち」みたいなもんですな。
「肯定できるところ」がごっつう少ない、
あるいは、「欠点ばかり見つかりまんねん」という人は、
「貧乏」でおまけに借金背負っている人みたいなもんですわ。
そんな「貧乏」な人たちは、ダメや、ということになりますのんか?
わたしのいうてる自己肯定感は、まったくちゃいますねん。
わたしの自己肯定感は「金持ち」の味方とちゃいますねん。
「貧乏人」の味方の自己肯定感ですねん。
著者は、この本の後半で、現代社会の人間が「商品」として
扱われている現状に嘆いているが、
この表現も、関西弁でやわらかく表現されており、
すばらしいとおもう。
世の中、競争、競争でっさかいに、
勝つために自分を売りださんとあきまへん。
せやさかいに、どうしても「自己愛」的にならんとしょうがない面があります。
せやけど。
そうすると売り物になる「イイところ」が見つからんひとは、「こんなワイはダメやねん」ということになりまんねん。
そういう「自己否定」が生きる意欲をなくさせますやろ。
非常に薄い絵本で、文章もやわらかく、
頭のよさそうな先生が書いた感じがないため、
本が苦手というひとにもおすすめできる。