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【読書感想】境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ―家族、友人、パートナーのための実践的アドバイス

非常にタイトルの長い本。

 

弁証法行動療法のマーシャ・リネハン博士の同僚である

シャーリ・マニング博士による境界性パーソナリティ障害を持つ人の

家族、友人、パートナー向けのアドバイス本。

 

つまりこの本は専門家向けではなく、境界性パーソナリティ障害

持つ人の周囲の人向けのため、内容は非常にわかりやすい。

 

しかし、翻訳本なので、翻訳自体はまずくはないのだが、

どうしても日本語らしくない文章構成のため、

翻訳本を読み慣れてない人にはちょっときついかもしれない。

 

BPDを持つ人にとって感情はあまりに激しく、あまりに簡単に火がつき、あまりに長引くので、彼らは惨めなのです。時にBPDを持つ人は感情を抑える方法を発見します。自傷、自殺企図、飲酒、薬物使用、過食、下剤使用、その他問題となりうる行動は 、感情を急速に静めて安堵感をもたらすという機能があるのです。このような行動をとるのも不思議ではありません。効果があるのです!あなたにとってはこれらの行動による害は極めてはっきりしているので、あなたの愛する人がそのような行動をとることが信じがたく思われるかもしれません。けれども、このような行動は瞬間的には苦痛を緩和するという事実があるため、やめさせることは非常に難しいのです。

 

※P.63-64より引用 

※BPDとは境界性パーソナリティ障害のこと

 

 この本では専門家ではない単なる一般人が、

境界性パーソナリティ障害をもつ人からのありとあらゆる問題行動に

悩まされているときに、どのように考え、どのように行動することが

よいのかということを、具体的に書いている。

 

相手のことを承認しつつ、かつこちらの限界を示す

実践的な例がたくさん書かれているので、

かなり分厚く、読むのに時間がかかるかもしれないが、

読む価値のある本だと思う。

 

境界性パーソナリティ障害の傾向を持つ人は、

意外に多く、販売業やサービス業など多数のお客さんとかかわる

職業の人は、時々尋常ではなく扱いづらい、いったいなぜこれほど

ちょっとしたことでむきになったように感情的になるのか、

驚くような人に会うことがあるだろう。

 

もちろん、かならずしも境界性パーソナリティ障害とはいえず、

別の要因でそうなっているケースもあるのだが、

その人が境界性パーソナリティ障害という診断がつく、つかないは別として、

感情的な相手とコミュニケーションを取るための方法として

この本は役に立つと思う。

 

境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ -家族、友人、パートナー、のための実践的アドバイス

境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ -家族、友人、パートナー、のための実践的アドバイス