放送大学で勉強中

放送大学で頑張って勉強する日記です。

精神分析とユング心理学 第四回精神分析の本質―現実と幻想

精神分析の現実と幻想についての考え方の回だった。

 

外的な現実に適用して働く心理過程を「現実原則」

欲動の即時的、直接的充足を求めて働く心理過程を「快感原則」とよぶ。

 

幼児期は「快感原則」に基づいているが、成長の過程によって

「現実原則」に即して行動できるようになる。

大人は「現実原則」に基づいて生きているが、

時々、退行して、「快感原則」に基づいた行動をすることで

心の健康を保つことができる。

 

この「現実原則」と「快感原則」を自分でコントロールして、

バランスをとりながら、適用することが大切だという話。

 

また、後半は、フロイトの性的外傷説についての話になり、

フロイトは、神経症の原因は、

幼少期の性的外傷が原因と当初考えていたが、

患者が話す近親者による性的外傷の記憶の一部が本当のことではなく、

偽りの記憶であったことが判明して、非常に挫折感を感じたという話。

 

そして最終的に、フロイトは「心的リアリティ」という考え方にたどりつき

患者が語ることが誤った記憶であったとしても、患者がそう思い、

そう語ること自体が、意味があると考えるようになった。

 

また、実際の臨床上の面接では、クライアントが、

性的な被害について話した場合、それが本当のことかどうかは、

セラピストは追求せずに話を聞くことになるが、

過去の記憶としてではなく、現在も起きている問題として性的被害を

語るときは、心理的フォローをしているセラピスト以外の、

現在の問題について対応するマネージメント専門のセラピストとチームを組む。

 

心理的フォローをするセラピストは、現実の問題に対応せず、

あくまでもクライアントの心理的問題に対応し、

マネージメント専門のセラピストが、家族などと面談して、

現実的な対処をする方法をとる。

 

実践的な対処方法についても言及があり、わかりやすい回でした。