【読書感想】IQってホントは何なんだ?知能をめぐる神話と真実 村上宣寛著
数年前に流行ったの疑問形のタイトルの本なので、入門的な本なのかなと思うと、
ぜんぜんそうではないたぶん中級者向けの本。
IQとはなんなのかという点よりもむしろ、100年間の知能テストの
歴史をまとめた本といったほうが適切かもしれない。
著者としては、なるべくわかりやすく書いたつもりなのかもしれないが、
当然のように統計の用語や、心理学の用語「統制群」「実験群」などが、
でてくるので、ある程度心理学の基礎用語は知っていることが前提のようだ。
著者は、話の最初では「最近の学生は勉強してない」などといって、
教育者として嘆いているが、中盤から最後までは、どちらかというと
科学者的側面での記述が主流となる。
私としては、前半よりも圧倒的に、中盤から後半にかけての、
科学者的記述のほうが、書いてあること自体は難しい内容なのだけど、
読んでいて興味深く感じた。
個人的には教育者的側面を出さず、
全体的に、科学者的側面で書いてあったほうが良かったなと思う。
ただし、知能テストというものが何なのかは、ざっとわかったので、
勉強にはなったとおもう。