【読書感想】プロカウンセラーの共感の技術 杉原保史著
カウンセリング業界でいうところの「共感」は、
一般的な日常語の「共感」とは異なるものなのだという話の本。
この本では「共感」について以下のように書いている。
共感は、個人の境界線を越えてあなたと私の間に響きあう心の現象、つまり、「人と人とが関わり合い、互いに影響しあうプロセス」のことなのです。ですから共感は、ただ相手とぴったり同じ気持ちになることを指すわけではありません。
P.21より引用
この本ではプロのカウンセラーがどのように共感していくのか、
共感するうえで大事な「感じる」ということについてなど、
なかなか深い話がかいてある。
また、どうしても共感が難しい人、例えば「殺したい」という人などに
接したときにどうするのかなど書いてあり、非常に面白い。
この本の全体的な感想は、とにかく「共感」という行為は、
一般人が素朴に考えているよりはるかに高度なテクニックが必要で、
エネルギーがいる作業であり、まさに、だれでもできる簡単なことでは
ないということだ。
文章自体は非常に読みやすく、内容も理解もしやすいのだが、
共感力を身に着けようとおもって気軽に本を読んでみたら
「こりゃ、たいへんなことだな。」
と率直に思う。